波田の家
Hata House

家族のカタチも家のカタチも
同じものはひとつもありません

この家は「家族と一緒に成長する家」です。

四角い平面形状の中に、田の字を変形させたように十字形の収納を配置してあります。
この十字形の収納をはさんで部屋と部屋が繋がっています。
収納は挟まれている両方の部屋から使うことができるため、リビングからは子供部屋からしまってある物が見えますし、子供部屋からは両親の寝室からしまってある物が見えます。
子供が小さいうちは物も小さくてカラフルなので、リビングも軽やかな雰囲気になるのではないでしょうか。子供が大きくなるにつれて物も大きくなり量も増えていきますので、部屋から部屋は見えなくなっていきます。

でも、しまってある物には個性が現れますので、その時々の家の雰囲気から子供が今どんな事が好きで、どんな事に興味があるのかが分かると思います。
同じように、両親も年齢を重ねていくうちに趣味が変わるかもしれないし、物に対する考え方も変わるかもしれません。それが子供にも伝わっていきます。

収納を通して物から感じられる家族の状況が、家の雰囲気をつくっていきます。
家は家族の状況に寄り添い、家族と一緒に成長するのです。

写真:山中慎太郎